耳は、音の振動のエネルギーを電気信号に変換する装置です。電気信号に変換された“音”は、神経を経て、最終的に大脳に伝わり、音として認識されます。 一方、耳に何らかの障害がおこり、外界から伝わる振動エネルギーとは無関係に異常な電気信号を耳が作り出し、大脳が音として認識してしまった状態が耳鳴りであると考えられます。
耳鳴りは、難聴に伴って発生する事が多いため、中耳炎や急な難聴など治療可能な病気がないか、一般的な診察と聴力検査を行います。場合により耳鳴りの周波数や音量を検査します。
治療可能な難聴がある場合は、まずは難聴の治療を行いますが、治療可能な難聴がない場合は、以下の様な治療を行います。
循環改善薬、ビタミン剤、漢方、安定剤など様々な薬があります。しかし確実に耳鳴を改善、治癒させることのできる薬はまだありません。しかしながら、まったく無効ということでもありません。 即効性のある薬はないため、数週間服用して頂き効果を判定します。
TRT(耳鳴り再訓練療法・音響療法)
TRTは耳鳴りを完全に消してしまう治療法ではありません。耳鳴りを意識させなくする治療法です。例えば家の中のエアコンや冷蔵庫の音はほとんど気になりません。けれども意識して聞こうとすれば聞こえるはずです。TRTが成功すると耳鳴りが気になることが次第になくなっていきます。 しかしながら聞こうと思えば耳鳴りの音はやっぱり聞こえます。TRTは何となくの音で耳鳴りが気にしにくい状況にして、耳鳴りをエアコンの音の様に日常のありふれた音にして、慣れてしまおうという治療方法です。
補聴器を利用したTRT
難聴があると、周囲の音が聞こえないために、耳鳴りが目立ってしまいます。また、TRTで使用する音も聞こえません。周囲の音やTRTで使用する音を補聴器を使用してTRTを行います。
① 肩こりがひどい場合、耳鳴りを大きく感じやすくなることがあります。ストレッチなどをしましょう。
② 早く寝ることが必ずしもいいことではありません。眠気が来なければ入眠する必要はありません。夜中に目が覚めると、環境音が小さいために耳鳴りが目立ってしまいます。